公害防止管理者(水質関係)過去問ポイントまとめ

水質関係公害防止管理者国家試験の過去問解説・ポイントをまとめたブログです。

平成30年度 汚水処理特論 問21

浮遊物質の試験に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

 浮遊物質(懸濁物質)は、網目(1)2mmのふるいを通過した試料の適量を孔径(2)0.05µmのガラス繊維ろ紙でろ過した時に、ろ紙上に捕捉される物質で、その物質を(3)水洗後(4)105~110℃で2時間加熱乾燥し、(5)デシケーター中で放冷した後の質量を測定し、試料1L中の質量(mg)で表す。

 

 

 

 

正解:(2)

浮遊物質(SS)の測定方法をおさらいしますと、

・試料を網目2mmのふるいに通す。(そこで引っかかるものは”ゴミ”)

・その後、孔径1µmのガラス繊維ろ紙でろ過する。このとき、ろ紙に捕捉された物質がSSとなります。(そこですり抜けるものは溶解性成分)

・ろ紙上の物質を水で洗い、105~110℃で2時間加熱乾燥する。その後デシケーター内で冷まし、質量を測定する。

となります。

 

したがって正しくは、(2):0.05µm → 1µm となります。

 

平成30年度 汚水処理特論 問22

フェノール類の検定に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。

 採取した試料を保存する場合は、(1)リン酸で約pH4にし、(2)硫酸銅(Ⅱ)を加え、(3)0~10℃の暗所とする。4-アミノアンチピリン吸光光度法では、前処理した試料のpHを(4)約7に調節し、これに4-アミノアンチピリン溶液と(5)ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム溶液を加えて、生成するアンチピリン色素の吸光度を測定する。

 

 

 

 

正解:(4)

フェノール類の測定法(4-アミノアンチピリン吸光光度法)の手順をおさらいします。

・試料採取後、できれば直ちに試験を行う。それができない場合は、リン酸を加えてpHを約4にし、硫酸銅(Ⅱ)5水和物を加えて、0~10℃の暗所に保存。

・試験の前に、前処理として蒸留を行う。リン酸を加えてpHを約4にし、硫酸銅(Ⅱ)溶液を加え、蒸留する。

・前処理が終わったら、塩化アンモニウム-アンモニア緩衝液を加えてpHを約10にする。これに4-アミノアンチピリン溶液ヘキサシアノ鉄(Ⅲ)酸カリウム溶液を加え、アンチピリン色素を生成させ、吸光度を測定する。

 

したがって、正しくは(4):pHを約7 → 約10 となります。

平成30年度 汚水処理特論 問23

流れ分析法による全りんの測定に関して、次に示す酸化分解前処理モリブデン青発色FIA法の構成の(ア)~(ウ)に該当する語句の組合せとして、最も適切なものはどれか。

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      (ア)        (イ)        (ウ)

(1)キャリアー液(水)  酸化剤溶液      アスコルビン酸溶液

(2)キャリアー液(水)  アスコルビン酸溶液  酸化剤溶液

(3)酸化剤溶液      アスコルビン酸溶液  キャリアー液(水)

(4)アスコルビン酸溶液  酸化剤溶液      キャリアー液(水)

(5)アスコルビン酸溶液  キャリアー液(水)  酸化剤溶液

 

 

 

 

正解:(1)

本問題は、全りんの測定(モリブデン青吸光光度法)を、一連の装置を用いて流れの中で行おう、という設定になります。

 

全りんの測定法であるモリブデン青吸光光度法の手順をおさらいすると、

・まず試料を酸化分解する。ペルオキソ二硫酸カリウムを用いる。(通常は高圧蒸気滅菌器内で120℃、30分間)

・その後、酸性モリブデンアンモニウムアスコルビン酸混合溶液を加え、発色させる。(15分ほど放置する)

・りんモリブデン青が発色したら、880nmの吸光度を測定する。

という手順になります。

 

フローを見ると、

① (ア)と(イ)のラインで、まず試料を酸化分解する

② その後、下段のRと(ウ)のラインから試薬を加えて反応させる。Rはモリブデンアンモニウム溶液と書かれている。

という流れであることがわかるので、(ウ)はアスコルビン酸溶液とわかります。 

したがって、(ア)と(イ)で、水と酸化剤(ペルオキソ二硫酸カリウムを加えるということになります。

平成30年度 汚水処理特論 問24

次の分析法又は計測機器と、それに関連する語句との組合せとして、誤っているものはどれか。

   (分析法又は計測機器)     (関連する語句)

(1)吸光光度法         ランバート・ベールの法則

(2)電気伝導率計        セル定数

(3)ORP計           ネルンストの式

(4)pH計            隔膜ポーラログラフ式

(5)BOD計           クーロメトリー方式

 

 

 

 

正解:(4)

計測機器に関する問題は、本問のように、測定法や機器に関連するキーワードを覚えておくことがカギになります。キーワードの組合せさえ覚えていれば、詳しい仕組みを知らなくても解ける問題が多いです。

選択肢について順に、簡単に解説します。

(1)「ランバート・ベールの法則」とは、「吸光度は試料の濃度と光の透過距離に比例する」という法則です。色が濃いほど、そして光の通り道が長いほど、より多く光が吸収されるという意味です。吸光度を測るものであればすべて関係してきます。(例:全窒素、全りん、UV計など)

(2)電気伝導率計では、平面電極2枚を対面させて取り付けた容器(これをセルという)に試料を入れ、電気抵抗を測定します。この容器の状態によって電気伝導率は変わってくるので、その状態を表す指標(…「セル定数」という)は大切です。

(3)ORP計(酸化還元電位計)では、酸化・還元のされやすさ(酸化還元電位)を測定します。この酸化還元電位を計算する公式を「ネルンストの式」と言います

(4)「隔膜ポーラログラフ式」とは、DO計(溶存酸素計)の装置の一種です

(5)「クーロメトリー方式」はBOD計の装置の一種です。(細かな説明は複雑なので割愛します。。)

平成30年度 汚水処理特論 問25

TOC計に関する記述として、誤っているものはどれか。

(1)水中に存在する有機物に含まれている炭素を燃焼により二酸化炭素まで酸化し、それに必要な酸素の重量として表示する。

(2)TOCは、CODやBODより短時間で測定できるという特長がある。

(3)燃焼酸化方式のTOC計では、有機物に含まれている炭素の酸化で生じた二酸化炭素を赤外線により定量している。

(4)2チャンネル方式では、全炭素(TC)から全無機体炭素(TIC)を減じてTOCを得る。

(5)1チャンネル方式では、試料を酸性とし、これにパージガスを通気して無機体炭素を除去する。

 

 

 

 

正解:(1)

TOCとは「有機炭素」の略で、水中の有機物の中に含まれている炭素を直接定量した指標です。有機汚濁成分を直接的に測れる指標です。

TOCの測定は、水中の有機物を燃焼させて、その中の炭素を二酸化炭素に酸化し、発生した二酸化炭素赤外線によって測定するという方法で行われます。したがって、誤っている文章は(1)となります。

 

他の選択肢は正解です。解説を補足します。

(2)正解です。ちなみにCODの測定は、過マンガン酸法では100℃・30分間の酸化反応が必要です。BODは5日間のDO消費量をもとに測定します。

(3)TOC計では、発生した二酸化炭素定量するために、非分散型赤外線ガス分析計を使用します。(ちなみに過去問で「赤外線→紫外線」と書き換えられて出題されたことがありました。)

(4)まず前提条件として、TOC有機炭素ですから、無機体の炭素(炭酸塩・炭酸水素塩)を除いて測定することになります。そのためのやり方が2種類あり、1チャンネル方式2チャンネル方式と呼ばれています。反応させる場所が1か所か2か所かの違いです。

 2チャンネル方式は、普通に試料を燃焼させる部分(…ここで測定されるのは全炭素(TC)という)と、無機体炭素を分解させる部分(…ここで測定されるのは全無機炭素(TIC)という)の2か所があり、TCからTICを引き算したものがTOCとなります。

(5)1チャンネル方式では、燃焼させる前に、試料中から無機体炭素を除去します(微酸性条件でパージガスを通気)。その後、試料を燃焼させてTOCを求めます。